施工写真はそろっているのに、紹介文が書けずにホームページの更新が止まってしまう。そんなときは、確認済みの施工情報をChatGPTに渡し、紹介文の下書きを作る方法を試せます。
大切なのは、写真から性能や暮らしぶりを推測させず、自社で確認した工夫を材料にすることです。この記事では、工務店・住宅会社の広報担当者や経営者に向けて、材料の準備、コピーして使える入力例、修正の依頼、公開前の確認を順番に紹介します。
1物件分の施工事例紹介文を、確認済みのメモから下書きに。

施工事例の文章でChatGPTに任せる範囲
ChatGPTには、メモを読みやすい順番に並べる、見出しを考える、長い表現を短くするといった作業を依頼できます。OpenAIの公式の使い方案内でも、文章の下書き・修正や要約が紹介されています。
一方で、出力には間違いや、材料にない説明が混ざることがあります。施工事例では、「事実を確定するのは担当者、伝わる文章の案を出すのがAI」と役割を分けましょう。
伝わる文章の案を作る
構成・見出し・紹介文の草案や言い換えを考える。
事実と許可を確認する
実際の仕様・工夫・性能、写真との一致、掲載許可を確かめる。
AIに補わせない情報:耐震等級・断熱性能・費用・所在地・施主様の発言や感想。
手順1:紹介したい工夫と根拠をそろえる
最初に「この事例で、どの工夫を伝えたいか」を1つ決めます。動線、収納、素材など、実際に説明できる点から選んでください。情報を詰め込むより、読者が写真と一緒に理解できる材料をそろえることを優先します。
| 項目 | 書いておくこと | 確かめる資料・相手 |
|---|---|---|
| 伝えたい工夫 | 実際に採用した配置や設え、その意図 | 設計担当者・現場担当者 |
| 設備・素材 | 正式名称と、紹介してよい特徴 | 仕様書・メーカーの資料 |
| 写真との対応 | 写真番号と、写っている工夫 | 掲載予定の写真 |
| 掲載する数値・発言 | 根拠が確認でき、掲載許可のあるものだけ | 性能資料・記録・施主様 |
「家事動線を工夫した」というメモなら、どこからどこへ移動する経路をどう考えたのかを担当者に確認します。意図と、実際に測定・確認した効果は別です。根拠がなければ「家事時間が短くなった」などの効果を付け足さないでください。
入力前に、個人情報と利用条件を確認する
紹介文を作るために、施主様の氏名、住所、連絡先、資金計画、未公開図面や契約書を丸ごと渡す必要はありません。今回は利用・掲載の可否を確認した施工上の工夫だけを入力する形にします。氏名を「A様」に変えても、所在地や家族構成などの組み合わせから特定される場合があるため、残す情報も見直しましょう。
個人情報保護委員会は、個人情報を含む入力が利用目的に必要な範囲内か、個人データを入力する場合に提供事業者が機械学習に利用しないこと等を確認する必要があると案内しています。詳しくは生成AIサービスへの入力時の留意点をご確認ください。
会社で使用を認めたサービス・アカウントを使い、保存・共有・学習利用の条件や契約上の守秘義務も確認します。情報をホームページに掲載できることと、外部のAIサービスに入力できることは、分けて確認してください。
手順2:入力例を使って施工事例の草案を作る
材料がそろったら、次の指示文の角括弧を置き換えます。これは使い方を示す入力例です。架空の施工事例や導入成果を示すものではありません。空欄を埋められない項目は「未確認」と残してください。
施工事例紹介文を作る入力例
工務店のホームページに掲載する施工事例紹介文の草案を作ってください。読者は家づくりを検討中の方です。専門用語を使う場合は短く説明し、落ち着いた自然な文体にしてください。
【利用・掲載の可否を確認した材料】
・主に伝えたい工夫:[1つに絞って記入]
・具体的に採用した配置や設え:[確認済みの事実]
・設計上の意図:[担当者に確認した意図]
・設備・素材:[正式名称と確認済みの特徴。なければ省略]
・写真との対応:[写真1は〇〇、写真2は〇〇]
・そのほか掲載可能な情報:[根拠と許可を確認した内容だけ]
【出力形式】
1.タイトル案を3つ
2.紹介文を400~600字程度
3.内容に合う小見出しを2つ
4.本文とは分けた「追加で確認すること」
【必ず守る条件】
材料だけを使い、性能値・面積・費用・所在地・家族構成・施主の発言や感想を追加しない。設計意図を、測定済みの効果や実際の居住者の体験に言い換えない。「必ず」「最高」「地域No.1」など根拠のない表現を使わない。材料が足りなければ短く仕上げてよい。推測で文字数を埋めず、不足は確認事項へ分ける。
文字数は読みやすく整理するための目安です。材料が少なければ短い紹介文で構いません。引き伸ばすために、一般論や確認できないエピソードを加える必要はありません。
目的、材料、出力形式、守る条件を分ける考え方は、OpenAIの指示文の作り方も参考になります。最初の出力を完成稿とせず、材料と照らして直していきましょう。
手順3:自社の言葉に直し、写真と合わせる
草案ができたら、まず事実と異なる箇所を修正します。その後に、重複した説明や抽象的な表現を整えます。「こだわりの空間」「理想の暮らし」だけで終わっていないか、写真に写っている具体的な工夫を説明できているかを見てください。
修正を依頼する入力例
先ほどの草案を、次の条件で修正してください。新しい事実は加えないでください。
・修正する事実:[担当者が確認した修正内容]
・残したい表現:[自社でよく使う言い回し]
・避けたい表現:[大げさな表現や意味の曖昧な言葉]
・写真1に対応する説明と、写真2に対応する説明を、それぞれ分かるように整理する。
・同じ特徴の繰り返しを削り、根拠のない効果や体験談があれば削除する。
写真の順番を変えたら、本文の説明も合わせて確認します。AIに写真を見せなくても、「写真1に何が写っているか」という担当者のメモがあれば、文章を対応させる作業を依頼できます。
たとえば、材料が「収納を玄関の近くに配置した」である場合、「片付けに困らなくなった」と書くには別の裏付けが必要です。確認できる配置を説明し、効果を断定しない表現に戻しましょう。これは表現の比較例であり、特定の住宅の紹介ではありません。
手順4:施工事例を公開する前のチェック

広報担当者だけで判断しにくい仕様や設計意図は、担当者へ確認します。文章が自然でも、根拠と許可がそろうまでは公開しない運用にしましょう。
- 事実:仕様、設備名、数値を元資料と照合したか。
- 意味:設計意図が、性能保証や入居後の実績に変わっていないか。
- 声:施主様の発言を作ったり、本人の確認なく意味を変えたりしていないか。
- 写真:本文と同じ物件・箇所か。写り込みや位置情報など、公開してよい範囲も確認したか。
- 権利・許可:写真・文章・物件情報の掲載条件や、必要な許諾を確認したか。
- 読みやすさ:見出しと内容が一致し、写真の説明が分かりやすいか。
- 公開判断:最終確認を行う担当者が決まっているか。
AIで作った建物の画像を、実際の施工写真として使わないことも大切です。施工事例のページには、掲載許可を確認した実際の写真を用いましょう。生成画像を説明用に使う場合は、イメージであることが伝わる表示にします。
初回は、材料準備・草案作成・事実確認・仕上げにかかった時間を残してみてください。下書きが出る速さだけでなく、公開できる原稿になるまでの合計時間と修正の量で、続けるかを判断できます。
施工事例のAI活用でよくある質問
写真だけから紹介文を作ってもよいですか?
写真だけで仕様・性能・設計意図まで確定させるのは避けましょう。本記事では、担当者が確認したテキストを材料にします。写っていない構造や性能、施主様の感想をAIに推測させないことが重要です。
ファイル添付や有料の専用ツールが必要ですか?
今回の手順はテキストを入力する方法なので、写真・PDFの添付や外部システムとの連携は使いません。利用できる機能や利用量などは、アカウント・プランの条件を確認してください。無料・有料の区分だけで、顧客情報を入力してよいかは判断できません。
AIを使えば検索順位や問い合わせは増えますか?
AIを使うことだけで、順位や問い合わせの増加は保証できません。まずは読者が写真と文章から、施工上の工夫と自社の対応を理解できるかを確認しましょう。Googleも、AI検索の機能に対して特別な専用最適化が必須なのではなく、従来のSEOの基本事項が引き続き有効だと説明しています。詳しくはGoogleのAI機能とウェブサイトの案内をご覧ください。
この記事を発信するミライエカンパニーについて
ミライエカンパニーは、建築実務の経験を持つ一級建築士が在籍する、住宅業界に特化したWebマーケティング会社です。
建築とWebの専門性
建築の専門知識とマーケティングの視点を組み合わせ、住宅会社の情報発信や集客を支援しています。
イエタッタを全国展開
住宅会社選びのマッチングサービス「イエタッタ」を、直営・OEMを通じて全国に展開しています。
住宅会社向けの講師活動
住宅会社向けセミナーを開催し、メーカー・流通店のセミナーでも外部講師を務めています。過去のテーマには「住宅会社向けAI活用」もあります。
まずは1物件分の情報を整理し、草案作成から担当者の確認までを試してみましょう。
情報確認日:2026年10月29日。本記事の指示文と表現例は、使い方の説明を目的としたものです。特定の会社の導入実績や成果を示すものではありません。